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ミルク・離乳食

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赤ちゃんのうんちからみえてくる、母乳の話
自分の赤ちゃんのうんちは毎日見ているけれど、ほかの赤ちゃんのうんちを見ることはなかなかありません。だから、健康な赤ちゃんのうんちがどんなものかは意外に知らないもの。赤ちゃんのうんちを調べると、母乳のさらなる神秘が見えてきます。
今回は、赤ちゃんのうんちに詳しいビーンスターク・スノーの中埜さんにお話を聞いてきました。
中埜さん プロフィール
中埜 拓:ビーンスターク・スノー株式会社 開発部 開発第1グループ課長 農学博士
健康な赤ちゃんのうんちについての研究

母乳の研究は、ミルクメーカー各社が取り組んでおり、ミルクは年々進歩し母乳に近づいてきています。
中埜さんは、より母乳に近いミルクの研究を進めるうちに、入り口の母乳だけではなく、出口のうんちも調べることによって、より赤ちゃんのことを知り、赤ちゃんにとってよりよいミルク作りになる発見があるのではないかと考えました。けれども、病気の赤ちゃんのうんちについての研究結果は多いものの、健康な赤ちゃんのうんちについての研究はほとんどありません。そこで、健康な赤ちゃんのうんちをできるだけ多く集めた調査・研究を行いました。

<調査方法>
生後1か月から4か月までの完全母乳と完全ミルクの赤ちゃん140人ずつに、尿が混じらない特殊なおむつをつけてもらって、便の様子を調べました(有効サンプル数:母乳児約100、ミルク児約50)。

その結果、母乳児とミルク児ではうんちにいろいろな違いがあることがわかりました。

<母乳児とミルク児のうんちの違い>

  母乳 ミルク
臭い 臭いがしない場合も 大人のような臭いのする場合も
水状でやわらか 母乳に比べると形を保っていて固め
黄色っぽい傾向 緑色っぽい傾向
回数 1日6回 1日1〜2回
1回5〜10g 1回15〜30g

臭いについては、どちらも酸っぱい臭いが多く、母乳児は臭いがしない場合があり、ミルク児は大人のようなくさい臭いがする場合がありました。
については、どちらも泥状態が多く、ミルク児のほうが固めの傾向がありました。
については、母乳児は黄色っぽい傾向が強く、ミルク児は緑色っぽい傾向がありました。
回数については、母乳児の場合「1回の量は少ないけれど回数は多い」、ミルク児は「1回の量が多いが回数が少ない」という傾向がみられました。ただ1日の総量としてはどちらとも同じくらいでした。
体重の増え方については、どちらもほぼ同じで、発育も順調でした。

新生児のうんちに免疫グロブリンが多い理由は?

母乳中には、赤ちゃんを病気から守る「免疫成分」が含まれていて、その主な「免疫成分」は、シアル酸と免疫グロブリンなどです。ところが、母乳中の免疫グロブリンの主体で、消化管内で病原体の感染を阻止する働きを持つslgA(分泌型免疫グロブリンA)については、母乳を調べるだけでは把握しきれません。そこで赤ちゃんのうんちの中の免疫成分、特に免疫グロブリンのslgAについて調べました。

図1:母乳中のsIgA含量

図1のように、slgAは初乳のときに特に多く存在し、濃度が高くなっています。これは赤ちゃんが一番弱く未熟なときに、赤ちゃんを感染から守るためです。
その初乳を飲んだ新生児のうんちには、slgAが多く出てきています。これは、slgAという物質が、胃で分解されてしまわずに、腸まで届いていることを示しています。つまりslgAは、まだ未熟な消化管を通ることによって、消化管内の病原体のはたらきを抑えて、病原体が体内に入り込まないようにする役目をしているものと推察されます。

図2:母乳栄養児の便中へのsIgA排泄率(%)

乳児は月齢がすすむにしたがって、消化能力や感染から守る機能が発達します。すると、図2のように、母乳中の免疫グロブリンの量そのものも減少すると同時に、消化管の途中で吸収されるようになるため、うんちの中には出てこなくなります。

新生児期の赤ちゃんにおいては、slgAは吸収されずに、消化管の中で役立っているというわけです。母乳は本当にうまくできていますよね。

「母乳の研究」から「赤ちゃんの研究」へ

母乳には栄養だけでなく、様々な働きを持つ成分が含まれています。からだを作るたんぱく質や脂肪はもちろん、おなかの調子を整えるオリゴ糖、脳の発育を助けるDHAやヌクレオチド、赤ちゃんを病気から守るシアル酸、さらに赤ちゃんをアレルギーから守るリボ核酸、ポリアミンなどがあります。
特にリボ核酸、ポリアミンは、赤ちゃんの未熟な消化管を発達させ、さらにアレルゲンの進入を防ぐ機能成分として注目されています。

母乳中の機能成分:リボ核酸・ポリアミンなど→消化管機能の発達:バリア機能の向上/消化力の向上/免疫バランスの改善→あらゆる食物アレルギーに対応

母乳の研究は、赤ちゃんのうんちなども研究対象に加えながら今後もさらに進んでいくでしょう。今やその研究範囲は、母乳そのものだけにとどまらず、「赤ちゃんの研究」と言えるくらいに広がってきています。母乳研究が進めば、ミルクもさらに母乳に近づいていきます。さらなる研究成果を期待したいですね。


資料提供:ビーンスターク・スノー株式会社




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