| ◎離乳食は子育ての関門?
生後5〜6か月ころから離乳食が始まります。と同時に、多くのママたちには新たな悩みごとが一つ増えるのではないでしょうか? 「離乳がうまく進まない」「食べてくれない」「急に食べなくなった」などの、赤ちゃんの食事に関する悩みです。
赤ちゃんに初めて形のあるものを食べさせるという経験は、わが子の成長を実感できるとても喜ばしいことです。でも同時に、不安や緊張もママのなかに生まれてくるもの。これはいわば、子育ての関門のようなものかもしれませんね。
◎子どもが元気なら、栄養は足りています
離乳食に関して、多くの親御さんがもっとも気にする問題は、「食べる量の多い少ない」ではないでしょうか? 特に小柄で小食の子の場合、「どうしてうちの子は食べないのだろう?」「このままでは育たないのでは?」と考えてしまいがちです。何でもよく食べる「ほかの子」の話などを聞くと、ついわが子と比べてしまいます。心配ばかりが目につくようになると、離乳食づくりや食事の時間が苦痛なものになってしまいます。
そんな場合は少し冷静になって、その子の成長全体をみてあげるようにしましょう。お子さんが順調に発育していて、毎日元気に動き回ったり、ごきげんがよいのであれば大丈夫。もし小食だとしても、それはその子にとっての適量と考えてよいでしょう。栄養は十分に足りています。食事の量が適当かどうかは、お子さんによって違うもの。「小食」も「大食」も個性と考えてよいでしょう。また、赤ちゃんや子どもの食欲は一定したものではありません。急に食べなくなることもあるし、食の細かった子が、ある時期からびっくりするくらい食べるようになることもよくあることなのです。
一つ注意したいのは、赤ちゃんの生活習慣によって、離乳食をあまり食べないケースです。赤ちゃん用のジュースや間食などで、おなかがいっぱいになってしまっていないか、母乳やミルクの量は適当か、また生活リズムが不規則になっていないかなど、常に気を配ってあげてください。
◎親と子の楽しい食生活の始まり
「離乳食をこね回したり、投げたりして遊んで困る」という話をよく聞きますが、赤ちゃんにとって噛んで味わうことは初めての体験です。食べること自体に好奇心を刺激され、食べるのも遊びの一つになっているのですね。食べ物の色や感触、舌ざわり、味、食器やスプーン…、五感をフルに使っています。このような段階をへて、赤ちゃんの食べ物への興味は育っていきます。
さらに、「はいはい」や「つかまり立ち」などができるようになると、食べること以外の楽しいこともどんどん増えてきます。そうなると、スプーンで食器を叩いたり、かきまぜたり、立ち上がったり…、食事どころではなくなってしまう時期もあります。いわゆる「遊び食べ」ですね。「遊び食べ」は発達の一過程なので、そのうちおさまります。
このように赤ちゃんの発達の過程とあわせて食事について考えると、離乳食は赤ちゃんにとって、これからの長い食生活の始まりであると、あらためて実感しませんか? 大人の食事について考えてみても、それは単に食欲を満たし栄養を補給するだけのものではありませんよね。食事によって家族のコミュニケーションはより深まるものです。離乳食は、赤ちゃんが家族の団欒の一員となる、楽しい食生活の最初の一歩です。そう考えると、毎日の離乳食の時間は、もっとおおらかで楽しいものとなるでしょう。
※出典『解説版 それでいいよ だいじょうぶ』より (監修 厚生労働省、作成 (財)母子衛生研究会)
|