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赤ちゃんの育ち方
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赤ちゃんの診察では、「きげんはどうですか」とお母さんにたずねることが多い。きげんは、健康状態をそのまま表現するからである。
では、きげんの具体的な意味や内容はどんなものかとあらためて考えてみると、「ふだんと変わらない」「よく食べる」「笑う」「遊ぶ」・・・などなどいろいろある。気をつけたいのは、きげんはただ見ているだけではわからない、ということ。
赤ちゃんは、何にでも正直に反応する。それを応用して、こちらから何か刺激を投げかけて反応をみる。たとえば「抱っこ」と手を出したり、おもちゃを与えてみたり、ふだん赤ちゃんとやっている「お遊び」をしてみる。
そんなとき何となくふだんと違った様子を感じたときは、きげんがよくないと判断してよいだろう。
大人はいくらでも上きげんを装うことができるが、赤ちゃんにはそれはできない。逆に熱があっても、便の回数が多くても、きげんさえよければそんなに心配する病気ではないと言える。
また、われわれ医師がよく使うのが、「少し様子をみましょう」という言葉。心配だから連れてきたのに、とお母さんは不安な気持ちをつのらせるばかりかもしれない。
しかし初めの症状だけでは、病気の原因やこれから病状がどう進んでいくのか、予測しかねることが多いのである。
痛みや熱、せきなど、赤ちゃんがつらそうならそれを取り除く対症療法をすることはあるが、それは本格的な治療とは違う。
「様子をみる」とは、何もしないことではなく、経過をみながら、診断し、最も適切な治療をしていくことにほかならない。
赤ちゃんのきげん、症状、経過など、お母さんからの情報は貴重。赤ちゃんの治療は、お母さんと医師が手をたずさえて行なうものである。
※出典『赤ちゃんが書かせてくれた―小児科医からママへの手紙―』より
(著者 巷野 悟郎、発行人 小山 敦司、出版元 赤ちゃんとママ社)
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