HOME
>
赤ちゃんの育ち方
> 額に手を
今でこそ、電子体温計を使う医院が多いが、かつては、すべて水銀体温計だった。お母さんはみな、測っている間、子どもをじっとさせるのに苦労したものである。
水銀体温計で熱を測るとき、わきの下に、3分あるいは5分はさむと思っている方が多いようだが、実際には8分から10分くらいはかかる。わきの下に水銀柱の根元のふくらみをはさんでおくと、次第にその部分の温度が一定になり、水銀の上昇が止まる。そのときの目盛りが腋窩温(えきかおん)。寒い冬や太っている子どもは低めの値が出てしまうので、さらに時間がかかる。
ある時期、「低体温」という言葉が世を騒がせ、「子どもの体温が低くなった」ということが言われた。しかし、そのときの水銀体温計の測定時間が3分、5分というのがあったのだから、当然低く出るはずだ。近年子どもが変わってきたからといって、人類の体温がそう簡単に下がるとは思えない。低い子もいるけれど、それは個人差と考えたい。
10分もかかるのでは大変だとつくられたのが「電子体温計」。初めの1分半ぐらいで、水銀体温計で測ったときの値を、上昇の経過を分析して数値で示したもの。これは予測値である。より正確に測るためには、水銀体温計と同様に10分くらいわきにはさんでおくのがよい。
さらにもっと早くということでできたのが、鼓膜温を1〜2秒で測定する「耳穴式体温計」。これなら、むずかる子どもを押さえつけて、などということもない。実に便利になったものである。
そう思う一方で、子どもの額に手を当てて「まだ熱が下がらない」と心配した昔が懐かしい今日この頃でもある。
※出典『赤ちゃんが書かせてくれた―小児科医からママへの手紙―』より
(著者 巷野 悟郎、発行人 小山 敦司、出版元 赤ちゃんとママ社)
「母子健康手帳」
に戻る
「親になる」
に進む
[ページの一番上へ]