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赤ちゃんの育ち方
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日本の子育ては、めぐる季節と密接な関わりをもっている。
世界中どこの国にも、季節の変化があるが、日本ほど鮮やかに気温と湿度と風が組み合わさって演出されているところは少ないであろう。夏は太平洋から暑く湿った空気が吹き寄せ、冬にはシベリア大陸からの冷たい空気がやってくる。夏と冬との両極端な季節の間には春と秋があり、六、七月には雨季がある。
日本の生活は「四季」と切り離して考えることはできない。子育てもまたそうである。そこには、日本ならではのさまざまな特徴がみられる。
たとえば、「あお向け寝」は、日本の家屋構造と深い関係がある。室内が赤ちゃんにとって必ずしも適温に保てない日本では、赤ちゃんのふとんは厚くて柔らかいことが多く、うつぶせに寝かせれば赤ちゃんの鼻や口を圧迫する危険がある。
「添い寝」も、個室文化が発達せず暖房が不十分といった、わが国特有の理由があった。また、「湯ざまし」は、井戸水が多かった時代に、赤ちゃんを病気から守るために煮沸して飲ませていた習慣が今も残っているのである。
日本のお母さんたちは、こういった季節の移り変わりに応じた子育ての知恵を何世代にもわたって引き継いできた。赤ちゃんは、お母さんに守られながら日々の自然を感じとり、情緒豊かに成長するのである。
また、昔は子育てにかなりのリスクがあったことから、子どもの成長を祝うさまざまな「通過儀礼」が準備されてきた。それは、自然の中で肩を寄せ合い、こぢんまりと生活してきた日本人の、「よくぞここまで育ってくれた」と神や自然に感謝し、喜び合う気持ちにほかならない。
「お宮参り」「おくいぞめ」「ひな祭り」「端午の節句」「七五三」・・・。大人の生活の中には、いつも子どもの存在があり、子どもを中心とする祝い事があった。
少子・大人社会を背景に、大きく変わりつつある子育てを、長い歴史の中で見守っていきたいと思う。
※出典『赤ちゃんが書かせてくれた―小児科医からママへの手紙―』より
(著者 巷野 悟郎、発行人 小山 敦司、出版元 赤ちゃんとママ社)
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